至聖ヘルスケアコラム

至聖ヘルスケアライフVol.1 生活習慣病その③ 脂質異常症(高脂血症)

2020年04月30日

脂質異常症(高脂血症)とは

中性脂肪やLDLコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたし、HDLコレステロールが不足している状態をいいます。

原因としては遺伝的な要因の他に、過食や高脂肪食の取りすぎ、運動不足などの生活習慣や、ストレスが関係します。

動脈硬化の主要なリスクになり、放置すれば脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患をまねく原因となります。

脂質異常症は主に3つのタイプに分かれます。
1、LDLコレステロールが高い(高LDLコレステロール血症)
2、HDLコレステロールが低い(低HDLコレステロール血症)
3、中性脂肪が多い(高トリグリセライド血症)

原因は遺伝子の異常や異常や薬による影響なども挙げられますが、最も多いのは
生活習慣の乱れによるものです。 

脂質異常症は男性は30代から、女性は50代から増えはじめますが、
目立った症状が現れないため、自覚している人が少ないのが現状です。

閉経前後にはコレステロール値の以上が表れやすくなるため、この時期には特に食生活や運動習慣などを見直す事を意識しましょう。

脂質異常症の基準値

LDLコレステロールLDLコレステロール140mg/dL以上
境界域高LDL
コレステロール血症※
LDLコレステロール 120-139mg/dL
低HDLコレステロール血症HDLコレステロール40mg/dL未満
高トリグリセライド血症トリグリセライド150mg/dL以上
高non-HDLコレステロール血症non-HDLコレステロール170mg/dL以上
境界域高non-HDLコレステロール血症
non-HDLコレステロール 150-169mg/dL

10時間以上の絶食を『空腹時』とした空腹時に採血した際の基準値です。

動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版 より出典

脂質異常症を放置するリスク

脂質異常症は自覚症状が出にくい病気ですが、放置するとゆっくりですが確実に体内で異常が起こり始めます。

脂質異常状態が続き、動脈の内壁にコレステロールが蓄積することでプラークが発生し、それにより血管内が狭く、もろくなることで動脈硬化を招く危険性があります。

そうなると、脳梗塞や心筋梗塞が発生するリスクが高まります。
それ以外にも中性脂肪が多いとHDLコレステロールが減少し、血管内で余ったコレステロールが蓄積しやすくなり、ひどくなると急性膵炎になる可能性もあります。

当院の治療方針

脂質異常症の治療は生活習慣の改善が基本です。
当院では検査を行いそれぞれ異なる患者様の今の状態に合わせた『食事療法』・『運動療法』・『薬物療法』を提案し合併症を防ぐよう支援していきます。

良くある質問にDrがお答えします!

Q.食事についてどんな事を心掛ければいいですか?

A.栄養素配分を考えた適量の食事を採る事です!
また、食べ方を見直す事も効果的です。

<摂取エネルギーを減らすコツ・食行動10か条>
1.『早食い・ながら食い・まとめ食い』を避ける
2.1日3食、規則的に食べる
3.よく噛んで食べる
4.腹八分目を意識する
5.食物繊維の多い食材を先に食べる
6.周りに食べ物を置かず、食環境のけじめをつける
7.好きなものでも一人前に。食べる時は適正量を守る
8.寝る前の2時間前は食べる事を控える
9.食器を小ぶりにする
10.外食では丼ものより定食を選択する

Q.脂質異常症の予防や改善に有効な運動は?

A.週3回、1日30分を目標に運動しましょう!

運動は短時間でも継続する事で効果が上がります。
汗ばむ程度の強度を目標にしましょう。
無理して長時間行うと、身体に負担をかける上、続かない事が多いです。

メニューとしては、脂肪を消費するウォーキングや水中ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動や、スクワットなどの筋力トレーニングも有効です。

運動の前後にはストレッチを行い、筋肉をほぐすこと心掛けましょう。
脂肪が消費されやすくなるのでおすすめです。