至聖ヘルスケアコラム
至聖ヘルスケアライフVol.1 生活習慣病その① 糖尿病
糖尿病とは
インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。
インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を下げる働きを担っています。
原因はストレスや遺伝・加齢によってインスリンの量が足りない事、また内脂肪から分泌される物質によりインスリンがうまく働かなくなる事があげられます。
糖尿病は世界的に非常に増えており、日本では国の重要疾患のひとつと定められています。
現在では、40歳以上の4人に1人が糖尿病であると言われています。
糖尿病の基準値
空腹時の血糖値
◆10時間以上絶食した状態で計測。
食事前、血糖値が最も低くなっている状態の値を判定。
正常値 | 80mg/dl~99mg/dl |
糖尿病予備軍 | 100mg/dl~125mg/dl |
糖尿病の可能性が高い | 126mg/dl~ |
随時血糖値
◆ ブドウ糖75gを水に溶かしたものを飲み、30分後、1時間後、2時間後に計測。食後のインスリンの効き方を判定する。
正常値 | 80mg/dl~139mg/dl |
糖尿病予備軍 | 140mg/dl~199mg/dl |
糖尿病の可能性が高い | 200mg/dl~ |
HbA1c
※HbA1cには日本で決められた「JDS値」とアメリカで定められた「NGSP値」の2つがあり、JDS値はNGSP値より0.4%低い基準値になっています。下記はJDS値を基準としています。
◆ 10時間以上絶食した状態で計測。食事や運動などの影響を受けない過去1~2ヵ月の血糖の平均値。
正常値 | 5.9%以下 |
糖尿病予備軍 | 6.0%~6.4% |
糖尿病の可能性が高い | 6.5%~ |
糖尿病診療ガイドライン2019より出典
通常の健康診断では「空腹時血糖値」だけしか計らない場合が多いので、まずは空腹時血糖値をチェックしてみてください。
糖尿病の進行度は、空腹時血糖値、随時血糖値、HbA1cの数値を総合的に見て判断されます。
空腹時血糖値が100mg/dlを超えているようなら、できるだけ早く随時血糖値とHbA1cも計測することをおすすめします。
怖いのは糖尿病による合併症
糖尿病は、初期の段階では自覚症状はほとんどありません。
しかし、随時血糖値が160mg/dlを超えて高血糖状態が長く続くと、手足のしびれ、勃起不全(ED)、皮膚乾燥やかゆみ、頻尿・多尿、多汗、のどが渇くなどの症状が出てきます。
原因は主に、全身の血管の動脈硬化と、血流障害によるものです。
それにより体の隅々まで酸素や栄養が運ばれなくなることで起きる神経の障害です。
また、症状がなくても、高血糖状態が長い期間続くと、網膜症、腎症、神経障害などの合併症が発症してしまいます。
年間約4000人の方が糖尿病網膜症によって高度の視力障害となり
また、約14,000人が透析療法を開始しています。
透析療法を開始すると、その頻度から日常生活や仕事に大きな影響が出ます。
糖尿病やそれに付随する合併症も、最初は症状がありません。
気づかない間にジワジワと合併症が進んでしまう、これが糖尿病の怖いところです。
早めの治療開始は将来の合併症のリスクを大幅に減らす事ができます。
当院の治療方針
糖尿病は、ご自身がこれから先付き合っていく病気です。
当院では検査を行いそれぞれ異なる患者様の今の状態に合わせた『食事療法』・『運動療法』・『薬物療法』を提案し合併症を防ぐと共に、普段通りの生活が出来るよう支援していきます。
良くある質問にDrがお答えします!
Q.糖尿病は治る病気ですか? |
A.糖尿病は一度診断されると、治るという表現は使いません。 ただ、治療や生活習慣の改善により血糖コントロールを良好に保つことで、健康な方となんら変わらない生活をおくることができます。 |
Q.糖尿病になると食事制限やお酒が飲めなくなりますか? |
A.いいえ。 しかし、肝臓のご病気がある方などの一部を除けば、禁止の食品などはありませんが、分量は個人によって異なります。 日常生活の中で、 無理なく上手にコントロールできるよう、一緒に考えていきましょう。 |
Q. 糖尿病の気があると言われましたが、特に症状はありません。 |
A. 早めの治療や精密検査を受ける事をオススメします。 自覚症状のないまま悪化していくことにこの病気の怖さがあります。 受診された時にはすでに糖尿病がかなり悪化してしまっていることも多々あります。 |
Q. インスリン注射は一生続けなければなりませんか? |
A. いいえ。 やめられる場合もあります。 長期にわたり自己注射が必要な方もいれば、短期間で離脱できる方もいます。 それは患者様の病状や体質、治療の取り組み次第です。 |