至聖ヘルスケアコラム
至聖ヘルスケアライフVol.2 整形外科その④ 関節リウマチ
関節リウマチとは
関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。
腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と異なる点です。
手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいことも特徴です。
関節の痛みの他にも、発熱や疲れやすい、食欲がないなど様々な全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。
以前は「関節リウマチは治療が難しく、変形やズキズキとうずく痛みが一生続く」と考えられていました。ですが現在は、「できるだけ早い時期に適切な治療を開始すれば症状を抑えることが可能」となり、関節の変形を食い止められるようになってきています。
こんな症状はありませんか?
関節が『腫れる』、『痛いっ!』と感じる
関節リウマチは、30代〜50代の女性に特に起こりやすく、手指や手、肘、肩、足、膝、股などのいろいろな関節に腫れや痛みが起こります。主な初期症状として、両手や両足の関節に痛みや腫れを感じることが多くなります。繰り返すようであればすぐに受診してください。
起きてから『30分くらい』手がこわばる感じがする
朝起きて、しばらくすると手足が浮腫んだような感じで動かしにくい症状が特徴的です。ちょっとした動作でも「動かしずらいな」と感じることが続くようであれば、すぐに受診をしてください。
全身のだるさが抜けない
関節リウマチは、関節の痛みなどとは別に、「疲れやすい」「だるい」「熱っぽい」というような全身症状が起こります。関節の違和感に加えて、このような体調の変化があればすぐに受診をしてください。
なぜ関節リウマチになってしまうの?
関節リウマチは、体の免疫の異常によって起きる病気です。
本来、免疫は細菌やウイルスが体内に入ってきたときに自分の体を守るための役割を担っています。しかし、関節リウマチでは、本来なら自分の体を守ってくれるはずの免疫が自分自身の細胞や体を間違って攻撃してしまい、関節が炎症を起こします。
炎症の起こった関節には、通常は関節を栄養する「滑膜組織」が異常に増殖します。この増殖の原因は、もともとの体質や、感染症やケガ、ストレスやタバコなどをきっかけに突然発症するケースが多いです。
当院の治療方針
医師による触診・血液検査・画像検査などから診断いたします。
現在では、できるだけ早い時期から治療を開始することで関節や骨の変形を予防することが可能になっています。
薬物療法及び理学療法を行い、必要があれば『滑膜切除術』や『人工関節置換術』などの手術療法を行います。
良くある質問にDrがお答えします!
Q.関節リウマチは完治しますか? |
原因不明の自己免疫異常が原因とされていますので、完治させる方法が残念ながら現時点ではありません。しかし、良い薬がたくさん出来てきており、炎症を抑え込むことで病気を進行させないことができるようになってきています。
この状態を寛解といいますが、治療は寛解を維持することを目標とします。
すでに関節リウマチになって長期間経過している場合は、なるべく炎症が低い状態を保って、病気の進行を遅らせるようにするのが目標となります。
どちらも、お薬による治療を継続してくことが基本になります。
Q.関節リウマチと診断されましたが、日常生活で注意点は? |
炎症が起き、疼痛がある場合は、関節に負担がかからないように注意する必要があります。変形が進行します。
すでに変形がある関節にも、過度の負荷は禁物です。
荷物の運び方など、日常動作にも工夫が必要ですので、当院では医師及びリハビリテーションスタッフが丁寧に指導しています。